カメムシ大量発生の終わりはいつ？秋から冬に備える完全ガイド

「カメムシって、いつまで出るの？」──秋になると急に増え始め、洗濯物やベランダで見かけることも多くなります。

2025年は全国的にカメムシの発生が多く、地域によっては11月下旬まで続く見込みです。

この記事では、カメムシの大量発生がいつまで続くのかを、気象条件や地域差を踏まえて詳しく解説。

さらに、「なぜ今年は多いの？」「家の中に入れない方法は？」といった実用的な防止策も紹介します。

読めば、カメムシの発生時期を正しく理解し、においトラブルを防ぐための対策がすべてわかります。

寒くなる前の今こそ、備えを整えて快適な秋を過ごしましょう。

カメムシが大量発生するのはいつまで？結論から言うと…

「カメムシっていつまで出るの？」──そんな疑問を持つ人が増えています。

結論から言うと、カメムシの大量発生は10月下旬から11月中旬にかけてピークを迎え、寒さが本格化する12月頃には徐々に減少します。

ただし、地域や気候条件によって終息時期が前後するため、冬でも油断は禁物です。

2025年のカメムシ大量発生のピーク時期

2025年は、春から夏にかけて高温多湿の日が多く、植物の生育が良かった年です。

そのため、カメムシのエサとなる果樹や雑草が豊富で、繁殖環境が整っていました。

気象庁の観測データによると、例年より約2週間早い9月中旬ごろから活動が活発化し、10月下旬にピークを迎えると予想されています。

地域	発生開始	ピーク時期	終息目安
北海道・東北	9月上旬	10月上旬	11月上旬
関東・中部	9月中旬	10月中旬~下旬	11月下旬
関西・九州	9月下旬	10月下旬~11月上旬	12月初旬

暖かい地域ほど発生期間が長引く傾向があるため、関西・九州地方では12月になっても見かけることがあります。

地域別に異なる“終息時期”の目安

カメムシの動きは、外気温が15℃を下回ると鈍くなります。

そのため、寒冷地では早く終息し、温暖地では遅くまで活動が続くのが特徴です。

とくにマンションの高層階や南向きのベランダは、日中の温度が高く保たれるため、11月下旬まで侵入するケースも報告されています。

つまり、発生が落ち着くのは地域の最低気温が10℃を下回るころが目安です。

冬でも出る？暖冬年の注意点

暖冬傾向の年は、カメムシの活動期間が1か月ほど長くなることがあります。

冬場でも気温が15℃前後の日が続くと、ベランダや室内で見かけることも。

さらに、室内の暖かさに誘われて“越冬”する個体が侵入するケースも増加しています。

冬でも見られる条件	具体例
暖冬	12月でも15℃前後の日が多い
建物の隙間	サッシや換気口から侵入
室内越冬	カーテン裏・照明器具内など

もし冬場でも見かける場合は、外気温ではなく建物の温度環境が影響している可能性が高いです。

なぜ今年はカメムシが多いのか？発生の原因を解説

「今年は異常に多い」と感じた人も多いのではないでしょうか。

実際、2025年は全国的にカメムシの発生が多く、特に西日本では過去10年で最大レベルとの報告もあります。

この章では、その主な原因を3つの観点から解説します。

前年の気温と発生量の関係

カメムシは、冬を越す「越冬卵」の生存率が気温に左右されます。

前年の冬が暖かいと、多くの卵や成虫が生き残り、翌年の春に一斉に孵化します。

暖冬の翌年は大量発生しやすいというのは、このサイクルによるものです。

前年の冬の傾向	翌年の発生状況
寒冬（低温・乾燥）	発生少ない
暖冬（高温・多湿）	発生多い

農作物・山林環境の変化も影響

カメムシは果樹や稲の汁を吸う昆虫で、植物の生育環境が良い年ほど数が増えます。

特に、山間部でドングリや栗などの木の実が豊作だと、エサが豊富になり繁殖が進む傾向があります。

その後、秋になるとエサを求めて住宅地へ飛来するため、「今年は多い」と感じるわけです。

都市部でも増えている理由

以前は農村地帯中心に見られたカメムシですが、最近では都市部でも大量発生が報告されています。

これは、都市のヒートアイランド現象により、カメムシが冬を越しやすくなっていることが原因です。

また、マンションやビルの外壁に集まる照明やガラスの光も、カメムシを引き寄せる要因の一つです。

都市部での主な原因	説明
ヒートアイランド現象	夜間も気温が下がりにくく、越冬率が高まる
人工光源の増加	カメムシが光に誘われて飛来
植栽・ベランダの緑化	エサや隠れ場所が増える

つまり、自然環境だけでなく都市の構造そのものも、カメムシの増加に関わっているといえます。

家の中に入るカメムシを防ぐ３つの対策法

ベランダや室内で見かけると、思わず身構えてしまうカメムシ。

実は、ちょっとした工夫で侵入を大きく減らすことができます。

この章では、日常で取り入れやすい３つの対策を紹介します。

① 窓・網戸まわりのスキマ対策

カメムシは、わずか2~3ミリのすき間からでも侵入できるほど小柄です。

そのため、窓や網戸の「すき間封じ」が最重要ポイントになります。

特に注意すべきは、網戸の“右下の角”と“サッシの溝”。ここは風圧で隙間ができやすく、侵入経路の代表格です。

対策方法	必要な道具	効果
すき間テープを貼る	防虫用すき間テープ	物理的に侵入を防止
サッシの溝を掃除	ブラシ・綿棒	密閉性を回復
網戸を正しい向きに設置	工具不要	隙間が生じにくくなる

また、換気扇やエアコンのダクトまわりも盲点です。

ホームセンターで売っている「虫よけフィルター」を貼るだけでも、侵入数を大幅に減らせます。

② 洗濯物への付着を防ぐコツ

カメムシは柔軟剤や洗剤の甘い香りに反応して近づくことがあります。

干している衣類やタオルにくっついて、そのまま室内に持ち込まれるケースが多いのです。

特に10~11月は、日差しがある日ほど注意が必要です。

シーン	対策
洗濯物を外干しするとき	日没前に必ず取り込む
香り付き柔軟剤を使うとき	控えめな香りに変更
取り込み時	1枚ずつ振って確認

さらに、ベランダの照明を夜間に点けっぱなしにすると虫が集まるので、不要なときは消灯しておきましょう。

③ 匂いを寄せつけないグッズ・スプレー活用法

カメムシは、ミントやハッカの匂いを嫌います。

市販の「カメムシよけスプレー」や「ハッカ油スプレー」を網戸や玄関周りに定期的に吹きかけておくだけでも効果的です。

ただし、カメムシ用スプレーと殺虫剤は別物。誤用すると臭いを出されて逆効果になることもあるため注意が必要です。

グッズタイプ	主成分	使用ポイント
忌避スプレー	ハッカ油・天然精油	網戸・玄関・ベランダまわり
吊るすタイプ	天然ハーブ	屋外・ベランダ用
室内用芳香剤	ミント・ユーカリ	臭いがこもる場所に設置

定期的にスプレーを使うことで、寄り付きにくい環境を作ることができます。

カメムシが発生しやすい場所・条件とは？

対策を強化するには、まず「どこに」「なぜ」集まるのかを知ることが大切です。

カメムシは特定の条件下で集団行動を起こすため、発生場所の特徴を理解しておくと予防効果が高まります。

ベランダ・外壁・玄関灯まわりの特徴

カメムシが好むのは、風が弱く日当たりが良い場所です。

特にベランダの手すりや外壁の凹凸部分、玄関灯の周辺は格好の“休憩スポット”です。

夜間の明かりは虫を呼ぶ「灯りトラップ」。LEDライトでも完全には避けられません。

場所	理由	対策
ベランダ	風よけ・明るさ・植物	照明を減らし植栽を整理
外壁の凹凸	隠れやすく暖かい	水で洗い流す・掃除
玄関灯	夜間の明かりに誘引	消灯・光を弱める

光やにおいに集まる“行動パターン”

カメムシは、光とにおいの両方に反応する昆虫です。

特に白色光や紫外線を含む照明は強く引き寄せられる傾向があります。

また、果物や植物の甘い香りにも敏感に反応します。

誘引要素	具体例
光	玄関灯・室内の明かり
におい	柔軟剤・果物・観葉植物
温度	日当たりの良い壁面

夜に窓際で照明をつけたままにしておくと、窓の外に集まることがあるため、カーテンを閉めるだけでも一定の効果があります。

日当たり・風通しとの関係

日当たりの良い場所では、壁面が温まりやすく、カメムシが休息や越冬場所として集まります。

一方、風通しの悪いベランダは臭いがこもりやすく、カメムシを誘いやすくなります。

掃除と換気が最大の予防策。定期的に水を流したり風を通すことで、寄り付きにくい環境を作れます。

環境条件	影響	対策
日当たり良好	集まりやすい	遮光カーテン・植木の配置調整
風通し悪い	臭いがこもる	定期換気・掃除

カメムシは「温かく」「明るく」「におう」場所を好む──この3要素を意識して環境を整えることが、防除の第一歩です。

もし家の中に入ってしまったら？正しい対処とNG行動

気をつけていても、いつの間にか部屋の中にカメムシが入ってしまうことがあります。

慌ててつぶしたり叩いたりすると、あの独特の臭いが部屋中に広がってしまうことも。

ここでは、においを出さずに安全に対処する方法と、やってはいけないNG行動を紹介します。

ティッシュでつぶすのはNG！臭いの原因になる理由

カメムシのあの強烈な臭いは、敵から身を守るための防御フェロモンです。

刺激を与えるとお尻の先から臭い液を噴射し、周囲の壁や家具にもにおいが残ってしまいます。

つまり、つぶす＝自ら臭いを撒き散らす行為というわけです。

行動	結果	おすすめ度
ティッシュでつぶす	臭いが広がる	×
ガムテープで取る	臭いを出さずに捕獲	◎
掃除機で吸う	臭いが掃除機内に残る	△

ガムテープで包むように捕まえ、そのまま密封して処分するのが最も臭いを抑えられる方法です。

安全に処理するための手順

カメムシを見つけたときは、焦らずに次の手順で行動しましょう。

手順	内容
① 手袋またはティッシュを用意	直接触れないようにする
② ガムテープで包み取る	臭いを出さずに捕獲
③ ビニール袋に入れて口を縛る	密閉して処分
④ 手洗い・換気を行う	臭い残りを防ぐ

捕まえたあとに臭いが少しでも残った場合は、アルコールスプレーを軽く吹きかけると効果的です。

市販スプレーを使うときの注意点

カメムシ専用の殺虫スプレーを使う場合は、必ず屋外か換気の良い場所で行いましょう。

また、一般的な殺虫剤（ゴキブリ用など）を使うと、カメムシが強く反応して臭いを出すことがあります。

“カメムシ専用”と明記された商品を選ぶことがポイントです。

商品タイプ	特徴	使用時の注意
カメムシ専用スプレー	においを出させずに駆除	室内使用時は換気
一般殺虫剤	刺激が強く臭いが出やすい	屋外限定

処理後は、においの拡散を防ぐためにしばらく窓を開けておくと安心です。

まとめ｜カメムシの発生は“秋の終わり”までが山場

ここまで見てきたように、カメムシの大量発生は季節の移り変わりと深く関係しています。

おおよそ10月下旬から11月中旬がピークで、寒くなると自然に減っていきます。

ただし、暖冬の年や日当たりの良い建物では、12月になっても見かけることがあるため油断はできません。

寒くなれば自然に減る理由

カメムシは変温動物であり、外気温が下がると体の動きが鈍くなります。

気温10℃以下ではほとんど活動できず、枯葉や建物のすき間で冬眠状態に入ります。

つまり、冬の寒さが最大の“天然防除”といえるのです。

気温	カメムシの状態
20℃以上	活発に飛び回る
15℃前後	活動が鈍る
10℃未満	動かなくなる・越冬

今できる簡単な防止策をおさらい

秋の間にやっておくべき対策を整理すると、以下の3点がポイントです。

対策	内容
すき間対策	窓・網戸・換気口をテープで密閉
洗濯物チェック	外干し時は日没前に取り込む
忌避スプレー活用	網戸や玄関まわりに定期使用

この3つを実践するだけで、侵入リスクをかなり減らすことができます。

また、どうしても入ってきた場合も、落ち着いて正しい方法で処理すれば臭いの被害は防げます。

「いつまで続く？」と不安になる時期は、あと少しで終わり。

気温が下がれば自然と収束しますので、焦らず、できる範囲の対策をして秋の終わりを迎えましょう。